RIKU IKEGAYA Works Projects Drawing Video Biography News Contact |
入れ子の教会 The installation Nested Churches by the Japanese architect and artist Riku Ikegaya is on displayed in Berlin Gallery Weekend. In this work he engages with the Genius Loci of the church and cultural center St. Elizabeth, which was designed by the famous architect Karl Friedrich Schinkel. Ikegaya’s installation consists of a scale model of Schinkel’s architectural plans for the Rosentaler Vorstadt Church, which he transfers to the interior of the structure as a walk-in, three-dimensional architectural sketch. In the resulting pavilion, made of steel pipes generally used in scaffolding, the vital presence of the visitor combines with the sublime serenity of the church to create a unique atmosphere in which time seems suspended, allowing the visitor to contemplate the auratic memory of the space. This „church in a church“ evokes not only the original function of the sacral building as a place of assembly and prayer, but also chronicles historical, cultural, and social change. The original building, heavily damaged in the Second World War, carries traces of the process of destruction, decay, and reconstruction. The temporary, provisional character of the pavilion implies „the unfinished“ and the cycle of coming into being and fading away. In this manner Ikegaya hints, perhaps, at the temporality of human existence as juxtaposed with concepts of eternity. → Photo ベルリンの近代都市としての基礎を築き、現代の建 築家にも大きな影響を与え続けている建築家Karl Friedrich Schinkelが設計した この教会堂は、戦後半世紀にわたり廃墟として放置されていた。かつて深刻なヴァンダリズムに巻き込まれた場所に組み上げられた単管パイプの構造体は 長い間使われることなく忘れ去られていた教会としての空間を浮かび上がらせ、失われた時間を鑑賞するためのパヴィリオンとして機能する。 "教会の中の教会"は目に見える物質として、また目に見えない非物質としてその空間内に存在している。それはどこか母体と胎児のような関係でもある。 もともと、宗教こそがファインアートの基盤を担ってきた。その両者の関係に着目すると、かつて教会であったこの場所がギャラリーとして使われていることは 必然とも言える。 この歴史的に特殊な変遷を持つ場所に、仮設の教会を作ることで、アートとその起源(宗教)を再考するきっかけにならないだろうか。 瞬間的に立ち現われ消えゆくパヴィリオンの内外に鑑賞者が集まる様は、 かつてのエリザベス教会がそうであったように、喧噪と静寂が混在する時間と空間を創り出す。 そこでは "鑑賞" と "礼拝" という2つの行為が重層化し、建物に流れた時間と消失した風景を訪れた人々に想起させる。 単管パイプの構造体は、既存の教会と同じ比率のファサードを持ち、内部空間に合わせて縮小され会衆席の役割を担う。 会衆席の先にある説教台にはオブラートが置かれ、口の中に入れられた途端に儚く溶けて消えてゆく。 そして、無骨な空気を纏うパイプ構築物は"永遠" を詠うネオンサインを掲げながら、完成することのないパヴィリオンが存在するための意思の表明となる。 これらは「永遠性」を内包した出来事であり、同時に「一過性」の行為でもある。 Schinkelが建築を完成させる度に図面やテキストを用い、出版という方法によって作品を記録したように、このパヴィリオンも書物によって記録され る。 この空間とその周囲で連綿と続く歴史の一端を可視化し記録することによって、永遠性の破壊と再帰の上で、多種多様な人と人とが出会う光に満ちた場所をつく るひとつの契機となる。 |
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